17歳の柔道女王が宣言「阿部詩の時代を2020年まで続けていく」 (3ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

「(決勝の技は)狙って入ったわけではなく、自分のパッと思い浮かんだ技に入ったらああいうふうになった。去年のお兄ちゃんのように、一本で優勝を決めたかったので、よかった(笑)」

 世界2位の角田には、昨年の講道館杯準決勝とグランドスラム東京決勝で敗れていた。「リベンジ」も今大会の目標に掲げていたが、角田は2回戦で敗退し、敗者復活では阿部に敗れたブシャールに敗北を喫したため対戦はなかった

「できればやりたくなかったという気持ちもあるんですけど(笑)......いつかは絶対に戦って倒さないといけない。次の大会に向けて、角田さんというのも頭に入れていかないといけないと思います」

 兄は今年の世界選手権の男子66kg級を制し、世界一となった。「誰よりも尊敬しています」という兄から受けた刺激が、今大会の優勝を導いた。

「お兄ちゃんの影響っていうのもあるし、一緒の階級の人(志々目)が世界チャンピオンになったというのが自分の中ではすごく悔しくて。なんで自分が出ていないんだろうという思いがずっとあった。その悔しさをもって練習してきたことが、今日の優勝につながったと思います」

 現行の五輪スケジュールのままであれば、2020年の東京五輪で女子52kg級と男子66kg級は、同日に開催される。3年後に再びアベック優勝を飾ることを阿部兄妹は夢見ている。

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