ゴロフキンのドローで混迷続くミドル級。
そこに村田諒太の居場所は?

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 日本のファンにとって気になるのは、その中に村田諒太(帝拳)がどうやって食い込んでくるかだろう。ここに挙げた豪華メンバーと比べ、知名度で劣っていることは否めない。ただ、村田にもロンドン五輪金メダリストという肩書きや、米国内でもESPNが中継に興味を持っているという事実、そして、世界的なリスペクトを集める帝拳プロモーションの後押しといったプラス材料がある。

 まずは、10月22日に予定されているWBAミドル級王者アッサン・エンダム(フランス)との再戦を、第1戦以上の内容で勝つことが絶対条件となる。ESPNの中継のもとでそれを成し遂げれば、"ムラタ"の知名度は一気に上がり、いきなりゴロフキンとの対戦とまではいかないまでも、アメリカでのビッグファイトが視界に入ってくるだろう。
 
 前述の通り、"今年最大のファイト"と呼ばれたゴロフキンvsカネロ戦はやや煮え切らない結末を迎えた。しかし、それと同時に、ミドル級戦線は少しずつ動き出している。ゴロフキンvsカネロは"ゴール"ではなく"新たなスタート"。ボクシング界において、伝統のミドル級がしばらく注目の階級であり続けることは間違いなさそうだ。

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