井上尚弥でさらに大注目。米国リングで日本人ボクサーの評価が急上昇 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • 山口裕朗/アフロ●撮影 photo by AFLO

 もちろん、日本人起用の理由は"安いから"というだけではない。2011年の西岡利晃(帝拳)、石田順裕(金沢)のラスベガスでの勝利がきっかけとなり、以降は三浦、亀海、村田、亀田和毅(協栄)、小原佳太(三迫)、荒川仁人(ワタナベ)といった実力派たちがアメリカで優れたパフォーマンスを見せてきた。その結果、日本人ボクサーの実力と魅力は、徐々にではあるが正当に評価され始めている。

「日本から来るボクサーは総じて献身的で、強靭なハートを備えているというのが真っ先に思い浮かびます。最近はパンチングパワーを持った選手も多いですね。何より印象的なのは、彼らはとても規律正しく、コンディション調整に秀でていること。これは素晴らしい特徴であり、世界の舞台で活躍できているのはそのような姿勢による面も大きいでしょう。私は"ジャパニーズ・ファイター"に多大なリスペクトを抱いています」

 今年の1月、現役時代に5階級制覇を達成し、現在はゴールデンボーイ・プロモーションズのプロモーターを務めるオスカー・デラホーヤが、筆者にそう語ってくれた。日本人記者へのリップサービスも多少はあっただろうが、けっしてそれだけではあるまい。実際にデラホーヤは、一昨年と今年に、自前の興行で三浦と亀海を起用している。

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