パンチで爆発音がする井上尚弥。ロマゴンの沈没で、次なる標的は誰だ? (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AFLO

 ただ、評判通りの強さを見せつけた後だからこそ、井上の対戦相手探しには苦労するかもしれない。お披露目ファイトの相手は格下のニエベスでよかったが、今後はそれなりの強豪との対戦が求められる。そう考えたとき、9月9日の最大の誤算は、井上が破壊的なKOを演出できなかったことではなく、メインイベントに登場した4階級制覇王者のゴンサレスが衝撃的なKO負けを喫したことだった。

 HBOが、ゴンサレスや井上を中心とする"Superfly"と銘打ったイベントを開催したのは、スーパーフライ級の有力選手の潰し合いを継続したい思惑があったからだ。その最終的な目玉になるのが、日本でも長く熱望されてきた通称"ロマゴン"と井上のスーパーファイトだったことは間違いない。

 ところが、ゴンサレスはWBC世界スーパーフライ級王者シーサケット・ソールンビサイ(タイ)との再戦に惨敗。もはや井上vsゴンサレス戦は現実的ではなく、いずれ実現したとしても"ドリームマッチ"とは言えない。そんな状況下で、井上がどこに向かっていくのかに注目が集まっている。

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