井上尚弥の米国デビューに異例の注目。ロマゴンをビビらせるKOなるか (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • 山口裕朗/アフロ●撮影 photo by AFLO

 その一方で、これほど期待が大きいということは、求められるものも大きくなることを意味する。井上がニエベス戦で勝つのはもちろん、内容が問われる一戦でもある。174cm(身長は163cm)という恵まれたリーチを持つ29歳のニエベスは、そう簡単に吹き飛ばせる選手ではない。ボクサーと銀行員をかけ持ちするプエルトリコ系アメリカ人は, 勝てば人生が変わる一戦にすべてをかけて臨んでくるだろう。

「プレッシャーは僕ではなく、井上のほうにかかっているはず。アメリカに来て初めての試合で、すぐに求められている結果を出さなければいけない。簡単なことではないはずだ」

 このニエベスの言葉は、確かに真実を言い当てている。ただ、"簡単ではないこと"を見事にやり遂げれば、井上が得られる賞賛はより大きくなる。日本が誇る怪物は、重圧をはねのけて"求められている結果"を出し、目の肥えたアメリカ西海岸のファンを魅了することができるだろうか。

"モンスター"のアメリカデビュー戦は、今後への試金石。この日を待ち望んでいたのは日本のファンだけではない。2年半前の伝説的なナルバエス戦に続き、「日本からとてつもない選手が出てきた」と、あらためて世界中を震撼させるような超絶パフォーマンスを期待したい。

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