スーパー女子高生ほか金メダルが続々。日本レスリングに世代交代の波 (3ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 奥野は吉田沙保里(至学館大副学長)の父、故・栄勝(えいかつ)氏が開いた「一志レスリングクラブ」で鍛えられたタックルと、失点ゼロで決勝戦まで勝ち上がったディフェンス力が売り。そして、大学で直接指導する栄和人(日本レスリング協会強化本部長)も指摘する「18歳とは思えぬ、ふてぶてしさ」が最大の魅力だ。

 55キロ級はオリンピック階級でないことから、大会前の注目度は高くなかったものの、今大会53キロ級で銀メダルを獲得した向田真優(むかいだ・まゆ/至学館大2年)、負傷欠場したリオデジャネイロオリンピック48キロ級金メダリストの登坂絵莉(とうさか・えり/東新住建)、さらに状況によって吉田も現役復帰を果たせば、これらが同じ階級でぶつかる可能性は高い。奥野は最激戦区となりそうな代表争いへの参戦権を堂々ともぎとった。

 そして大会4日目は、「日本代表選手団最年少」「世界選手権初出場」でありながら、もっとも期待と注目を集めてきたスーパー高校生・須崎優衣(すさき・ゆい/JOCエリートアカデミー/安部学院高3年)が48キロ級に満を持して登場。本人の公約どおり、圧巻の内容で初優勝を飾った。

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