村田諒太のスパーリングパートナーが語る
「今度こそ確実に勝つ方法」

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Sportiva

――そもそも、どういった経緯で村田のパートナーを務めることになったんですか? 

「5月のエンダム戦が決まった後、アメリカにおける村田のプロモーターであるトップランク社が、スパーリングパートナーを探していたんです。偶然にも、同社のマッチメーカーであるブラッド・グッドマンが僕のことをよく知っていて、適任だと判断してくれました。クイックネスやフットワーク、手数の多さなど、エンダムとは共通点がありますからね。僕は、元IBF世界ミドル級王者のデビッド・レミュー(カナダ)がエンダムと戦う前に、"仮想エンダム"としてレミューのパートナーを務めたことがあるんです。ブラッドはそのことを知らなかったんですが、重要な役割をオファーされたことは本当に幸せでした」 

――デイさんは7月にWBC米大陸スーパーウェルター級王者になりましたが、その試合で村田とのスパーリング経験が活きたんでしょうか? 

「それは間違いないです。厳しいスパーリングで、多くのことを学ぶことができましたからね。対戦相手が村田には遠く及ばない選手だということもわかっていましたし、自信はありました。試合では、村田が得意とする長く打ち抜く右ストレート、コンビネーションの最後に放つボディ打ちといったパンチも有効でした。僕もトレーナーから教わったパンチでしたが、村田が使いこなしているのを参考にしたことで、初めて実戦で試すことができたんです。彼は、すでに成功を収めている選手でありながら、大変なハードワーカー。将来は彼のようなボクサーになりたいです」

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