「大鵬の孫で貴闘力の長男」は、プロレスと総合格闘技で頂点を目指す (3ページ目)

  • 松岡健治●文・撮影 text & photo by Matsuoka Kenji

 納谷の底知れぬ才能に太鼓判を押す佐山は、プロレスラーだけにとどまらない活躍にも期待を寄せる。初代タイガーマスクとして、プロレス界に革命を起こした佐山。引退後には新たな格闘技「シューティング(現・修斗)」を創設し、世界的に発展した総合格闘技の礎(いしずえ)を築いた。だからこそ、「納谷にはプロレスと総合格闘技の両方やらせたい」と明かし、納谷自身も「プロレスと格闘技の2つを極めたい」と意欲を見せる。

 過去に総合格闘技のトップレベルで戦った選手には桜庭和志がいるが、桜庭はプロレスラーとして王者になることができなかった。納谷がプロレスと総合格闘技で"横綱"になれば、前例のない日本人プロレスラーが誕生することになる。

 道場でも、レスラーとしての受け身の練習を繰り返しながら、総合格闘技の日本王者クラスに胸を借り、肉体だけでなく精神的にも自分を追い込んでいる。厳しい練習にも決してギブアップしない納谷を、佐山は「何度やられても相手に向かっていく。その根性は相撲につながるところですね」と、闘魂相撲で相手に挑んだ父・貴闘力の気迫を重ね合わせた。

「もちろん、現時点での実力はまだまだですが、今の気迫溢れる姿勢で練習を続ければ、どんどん強くなっていくことは間違いない。これから新たな練習も課していきますから、どこまで才能が伸びるか楽しみですよ」

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