あの金メダリストも立場が危うい?女子レスリングに新星が続々登場 (4ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 その結果、過酷な減量をしなければならない選手にとってはさらに厳しくなり、登坂が最軽量級から1階級上げる可能性は高まるだろう。リオデジャネイロオリンピック53キロ級で銀メダルを獲得した後、日本代表コーチ兼任となった吉田がもし復帰しないのであれば、登坂が階級アップするのはほぼ確実だ。

 だが、その階級には昨年の世界選手権(非オリンピック階級のみの大会)55キロ級で優勝し、昨春から国内外10大会連続負けなしの向田真優(むかいだ・まゆ/至学館大)がいる。「ポスト吉田」の呼び声も高く、53キロ級で出場した今回の全日本選抜では圧倒的な強さを見せつけ、大会2連覇を達成した。

 今大会はリオのメダリストのうち、登坂、吉田、伊調の3名が欠場。金メダリストの川井梨紗子(ジャパンビバレッジ/60キロ級)と土性沙羅(どしょう・さら/東新住建/69キロ級)は優勝したものの、男子銀メダリストの太田忍(ALSOK/グレコローマンスタイル59キロ級)と樋口黎(ひぐち・れい/日体大/フリースタイル61キロ級)はともに敗れ、世界選手権への出場を逃した。2020年に向けて国内の代表争いは、男女とも今後ますますヒートアップしてくるに違いない。

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