あの金メダリストも立場が危うい?女子レスリングに新星が続々登場 (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 スピードは特にタックルで強みを発揮するが、須崎の場合は反応の速さに加えて、相手がタックルに入ってきても素速いバックステップで足にも触らせない。しかも、この1年は日本代表コーチでもある吉村祥子エリートアカデミーコーチのもとで、下半身を徹底的に強化。より低く構えられるようになってディフェンス力がさらにアップしたことにより、今大会では3試合とも失点ゼロの完封勝ちを収めた。吉村コーチも「完璧に防御しながらも、技を繰り出せるようになった。タックルだけでなく、ポイントを獲れる強みが増えている」と、須崎の成長ぶりを認めている。

 また、エリートアカデミー・レスリング監督として須崎を中学2年から指導してきた菅芳松(すが・よしまつ)日本協会事務局長は「体幹、足腰が強く、パワーもある。まるで伊調馨(いちょう・かおり/ALSOK)の若いときのようだ」と評する。

 日本レスリング界で現役のエリートアカデミー生が世界選手権に出場するのは初の出来事。そこで金メダルを獲得して2020年の東京オリンピックにつなげたいところだが、須崎にはやらなければならないことがもうひとつある。それは「打倒・登坂絵莉」だ。

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