2017.06.07

「俺のような柔道家になってほしい」。
小川直也が息子・雄勢に託す夢

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Kyodo News

──かつてのように、雄勢選手と乱取り(実戦形式の稽古)を行なうことはありますか。

「大学1年生の頃まではやっていたよ。高校生の頃はまだまだ弱いなと思いながらやっていたけど、大学生になって初めて投げられた。『成長したな』と思いましたね。ただ、ここ1年は俺が体調を崩していたこともあってやっていない。もうかなわないところまできているし、ここからもう一皮むけてほしい」

重量級で戦う雄勢選手について語る小川直也氏──ご自身が獲得できなかった金メダルを、雄勢選手に獲ってもらいたいというお気持ちはありますか?

「もちろん、やる以上はそれを目指してほしい。そして、俺の柔道を継ぐ以上は、俺のような柔道家を目指してほしい。でも、俺が一番強かった頃からしたら、雄勢の柔道は20%か30%。寝技もまだまだですね。雄勢の柔道はまだ完成していないし、これからの上積みがある」

──東京都選手権を制した雄勢選手ですが、全日本では3回戦で敗れました。雄勢選手が東京五輪に出場するためには、少なくとも来年には代表選考レースの舞台に上がらないと間に合わないように思います。これからの課題はどこにあると思いますか?

「確実に力はついているから、あとは気持ちだけ。少なくとも20歳当時の俺よりも、技のバリエーションは豊富だし強い。ただ、さっきも言ったけど、まだまだ発展途上。ギリギリの試合を何度も経験することが大事だと思いますよ。タイトルよりも、『この選手に勝った、あの選手にも勝った』というような勝利の積み重ねがね。

 絶対的な得意技がないのは課題かな。今はいろんな技に取り組んでいて、それがバリエーションの豊富さにはつながっているんだけど、どうしても急いでいるように見えるし、『二兎を追う者は一兎をも得ず』となりかねない。技は1年にひとつずつ磨いていけばいいとは思うけど……。それを自分で実感することも大事だから、今はあえて何も言いません」

(前編から読む>>)

■柔道・その他格闘技 一覧>>