【国際プロレス伝】語り草となった「田園コロシアム・こんばんは事件」 (5ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO

 だから、お客さんたちに笑われるのはいい。しかし、新日本プロレスの選手たちに戦う前からナメられたら、おしまいだ。だから僕は、木村さんを後ろから突っつきました。『ダメですよ、木村さん』とね。とにかく、この場の空気を変えなきゃいかんと思ったんです」

 それでも、木村はマイクを握りしめ、ゆっくりと続けた。

「あのですね......、10月8日の試合、私たちは国際プロレスの名誉にかけても必ず勝ってみせます。またですね、その試合のために今、私たちは秩父で合宿を張って、死に物狂いでトレーニングをやっていますので、必ず勝ちます」

 会場を埋め尽くしたファンの笑いは、止まるどころか大きくなるばかり。業(ごう)を煮やしたアニマル浜口は、マイクを握った。

(つづく)
【連載】アニマル浜口が語る「国際プロレスとはなんだ?」

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