【国際プロレス伝】浜口平吾から「アニマル浜口」へ。ついに野獣誕生 (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by Nikkan sports/AFLO

 ナニワトレーニングセンター時代から浜口は"練習の虫"と言われ、国際プロレス入門後もとにかく練習に打ち込んできた。その量はプロレス界でも群を抜いていて、"アニマル"というリングネームは動物のように動き回るから、という説もある。

「たしかに、よく練習しましたね。バカがつくほど練習していましたから。『国際プロレスの道場をのぞくと、必ず浜口がいる』なんて言われて。吉原社長からは『なぜアニマルなのか?』という理由は聞いていませんが、僕は『野獣のように強く、勇猛であれ』という教えが込められている、と受け取っています。

『名は体を表す』といいますが、リングネームが"アニマル"になってから、僕はどんどん野獣になっていった。そして、今がある――。

 あれは1997年、フランスのクレルモン=フェランで行なわれた女子レスリング世界選手権。京子が初めて世界チャンピオンになった大会でした。最重量75kg級の準決勝戦、京子の相手は中国の劉東風選手。それまで世界選手権に5度出場し、すべて優勝している強敵で、劉選手に勝たないと優勝はない。その事実上の決勝戦ともいえるマットに上がる京子に叫んだんです。『野獣になれ!』とね。

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