イチ、ニ、サンと軽量級の大本命へ。
柔道・阿部一二三の壮大なプラン

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by AFLO SPORT

 そしてグランドスラム東京の初日は、阿部のほかにもうひとり、主役がいた。女子52キロ級の決勝に進出した阿部詩(あべ・うた)だ。夙川学院高校の1年生である彼女は、その名から察せられるように、阿部の3歳下の妹である。

 顔もそっくりだが、口を大きく開けて緊張を解きほぐす癖や、果敢に相手に攻め込んでいく柔道も兄に通じる。詩は言う。

「東京五輪では兄妹で金メダルを獲りたいです。兄の常に前に出ていく姿勢は私も見習いたい。顔が似ていますか? 私はそうは思わないですけど(笑)、ずっと一緒にやってきたので、柔道が似ている部分はあると思います」

 4年後、阿部兄妹が軽量級の顔となっている可能性は大いにある。

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