ケニー・オメガが吠える
「オカダ・カズチカはオレの80%だ」

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko
  • photo by ©新日本プロレス

 以来、アメリカ、メキシコ、イギリス、さまざまな国のプロレスを見るようになる。そのなかで見つけたのが、DDTプロレスリングのDVD。最初見たときは、あまり好きにはなれなかったという。しかし、強烈に惹きつけられる選手がいた。後に盟友となる飯伏幸太だった。

「飯伏の試合は、オレの日本バージョンだと思ったよ。同じプロレスの考え方をしている。だから彼に会いに行きたかった。アメリカのウェブサイトのインタビューで、『もし日本に行ったらDDTに出たい』というコメントを出したんだ。それをDDTの高木(三四郎)社長が見て、どういう選手かわからないけど、もし本当にDDTに来たいならトライアウトを受けてみないかと言われたんだ」

 2008年、DDTのビアガーデンプロレスに参戦。それが見事にハマった。その後、飯伏とのシングルマッチがサムライテレビのベストバウトに選ばれた。飯伏と「ゴールデン☆ラバーズ」というタッグチームを組み、瞬く間に頭角を現した。飯伏同様、普通のプロレスよりも、路上プロレスや変則ルールの試合を好む。言葉の壁を超えて、飯伏との仲は急速に深まっていった。ケニーは飯伏のことを「愛する人」と称するようになった。

 ところが2014年、新日本プロレスに入団し、ヒールターンをする。飯伏と敵対関係になった。翌年4月、ニュージャパンカップで飯伏がIWGPヘビー級王座に挑戦した際、ケニーはバレットクラブの一員として乱入。それが引き金となり、飯伏はAJスタイルズに敗れる。そのときのケニーの沈鬱な表情に、多くのファンが涙した。

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