藤田和之が元大関・バルトと真っ向勝負「体ひとつでぶつかるだけ」 (5ページ目)

  • 松下ミワ●文 text by Matsushita Miwa
  • 保高幸子●撮影 photo by Hotaka Sachiko


──ハッキリ言わないのは何か理由があるんですか?

「うーん、別に。気がついたら勝手に調べられる世の中ですから。それでどう思うかは本人の自由だし。自分のために『お父さんはこうだよ』と教えるのもなんか違うし。それを糧にする方もいますけど、僕の場合はまた別だなって。だから『何かのため?』と訊かれると、もちろん家族の生活のためですけど、僕としては悔いなくやりたいだけです。楽しく生きたいですからね」

──その、ひと区切りとなるRIZIN無差別級トーナメントは、PRIDE時代の熱を期待するファンもいる一方で、若い選手が力を示せる舞台でもあります。

「とにかく昔はみんながね、『稼いでやろう』『名前を上げてやろう』とハングリーでしたよ。きっと今の若い選手もハングリーな気持ちで来るだろうし、じゃあ僕らは何なのかというと、『まだまだ若いヤツらに負けないぞ』ということになっちゃいますけど。あとは、同時期にやっていたPRIDEの連中と、『おまえ、まだやってんのか。じゃあリベンジさせろよ』というのもありますよね」

──今回のトーナメントには、かつて藤田選手を破ったミルコ・クロコップやヴァンダレイ・シウバも参戦しますもんね。

「ミルコになんて、2回も負けてますからね」

──とはいえ、まずは1回戦、バルト選手です。

「170kgでしょ? この格闘技界を見渡しても、あれだけ大きな選手はいませんよ。僕は、彼には大きな可能性を感じていて、だからこそ彼と最初に闘えるのは、褌(ふんどし)締め直さないといけないなって」

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