村田諒太&香川照之が予想する「中量級スーパースター」の激突マッチ (4ページ目)

  • 中込勇気●文 text by Nakagome Yuki
  • photo by AFLO

 一方のWBA王者アンソニー・クロラ(イギリス・29歳)は38戦31勝(13KO)4敗3分。昨年11月に同王座を獲得し、今年5月にKO勝利で初防衛に成功している。今回の試合地はイギリスのマンチェスター・アリーナ。地元の大声援を背に王座統一を目指す。

 ロンドン五輪・金メダリストの村田は、イギリスのボクシング熱をこう解説する。

「イギリスは勢いがありますね。アメリカがボクシングの中心みたいに思われていますけど、もうひとつの中心はメキシコではなく、イギリスになっていますよね。そこでのビッグファイトなので、非常に楽しみです」

 リナレスにとってはアウェーとなるが、香川氏はその心配はないと言う。

「去年イギリスで試合しているし、アメリカ、メキシコ、いろんな国で試合していますので、敵地というイメージはさほどないと思います。リナレスはここのところ復調してきて、フェザー級時代のシャープさを取り戻している。クロラもチャンピオンではありますが、怖さがある選手ではない。リナレスに憂慮(ゆうりょ)する点があるとすれば、なりふり構わず相手が出てきたときに、目の上をカットしたりすることが一番恐い。アクシデントさえなければ、8回か9回で倒せると思います。もちろん、クロラもあっさりと倒れる選手ではないので、苦戦はすると思いますが、負けるわけにはいかないので」

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