村田諒太&香川照之が語る、ボクシング「怒涛のビッグマッチ」4連発 (2ページ目)

  • 中込勇気●文 text by Nakagome Yuki
  • photo by AFLO

 ロマゴンの最大の強みについて、村田はこう解説する。

「よどみのない波状攻撃。滑らかに、ずっとつながるような連打ですね。僕らがマネしようとすると、1回止まる"一時停止"があるんですけど、ロマゴンは水が流れるかのように連打が出続けるという強さですね」

 一方、香川は「ローマン・ゴンサレスは本当に誰も止められない状態」と舌を巻く。

「ただ、ウエイトがひとつ上がる(フライ級からスーパーフライ級)ということが一番大きいので、クアドラスの潜在能力も含めて、最近のなかではもっとも拮抗した試合になると思います。

(ロマゴンは以前)ライトフライ級からフライ級に上げたあたりで、ボディワークとステップを緩くしながらも、潜在能力だけで(相手を)寄せつけないというのがあったので、彼がキャリア前半で持っていたような全般的なスピードだったり、パンチのキレだったりというのは、確実に失っていると思います。

 しかし、いろんな選手とやる経験のなかで、『こう打ったらこうだ』という経験値はスピードを失っても上回っている気がするので、そういった意味では、クアドラスは出入りの激しい、1秒たりとも気を抜かない忙しいボクシングをすることによって、何か可能性がある気はします」

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