山本家の最終兵器・アーセンがKIDの思いを背負い、RIZIN出陣

  • 布施鋼治●文 text by Fuse Koji 保高幸子●写真 photo by Hotaka Sachiko

「周囲とも話をしたんですけど、やっぱり今の俺の動きをそのままやったら相手は一番やりづらいんじゃないか、という結論に至ったんですよ。確かに自分なりに立てた対策もあるけど、対策を練りすぎて相手に合わせたら疲れるだけです」

 相手云々より、自分のパフォーマンスを優先するという。しかし、気になる点がある。クロンの身長は174cm。アーセンは167cmだから、7cmの身長差があるわけだが、それ以上に気をつけたいのはリーチの差。データがないので何cmの差があるかはわからないが、写真で判断する限りクロンの腕はかなり長い。それでも、アーセンは強気のコメントを連発する。

「クロンは打撃(が得意な)タイプではない。横からスパーンと瞬発力で近づいて、確実に距離さえ潰せばどうにかなるんじゃないかと思います」

──距離は潰せる?

「ハイ、確実に潰せると思います」

──それはグレコローマンスタイルで培った差し合いを駆使して?

「いや、動きとパンチだけで」

──組みの方は?

「(今回は)組まないと思います」

──打撃戦を挑むつもり?

「そこは臨機応変に(微笑)。でも、どんな状況になっても大丈夫なように練習はしています。別に組まれてヤバいとか、寝技にもっていかれたらヤバいとかじゃなくて、どちらに転んでもいいように練習しています」

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