12・29RIZINで禁断の激突! 桜庭和志と青木真也の対照的な生き様 (4ページ目)

  • 布施鋼治●文 text by Fuse Koji   保高幸子●写真 photo by Hotaka Sachiko

「(重量級でやってきた)桜庭さんは減量の仕方とか知らないから、試合前に摂るべき食事法とかがわからない。ファーストフードのハンバーガーを食べて吐いたと言っていたことがありましたね。その時、僕はヴィターゴという吸収のいいサプリメントを教えました」

 このふたりは歩んできた道のりも対照的だ。桜庭はタイガーマスクに憧れプロレスラーを志し、UWFインターナショナルからMMAに転向した。一方の青木は、大学生時代にパラエストラ東京というジムに通いながらプロになった。青木から見れば、桜庭は大相撲の部屋制度のしきたりを色濃く引き継いだプロレス団体の出身者に映る。

「そうなると、試合は団体内での出来事だから勝とうと負けようと自分の取り分に変わりはない。だからこそMMAでも思い切って行けたり、おおらかな試合ができたんだと思う。仮に負けたとしても、『いいよ、どうせまた試合をしたら金は入ってくるんだから』みたいな感覚だったんじゃないですかね?」

 桜庭が46歳なのに対して、青木は32歳。両者にはひとまわり以上の年齢の開きがある。桜庭が2000年にホイス・グレイシーと歴史的激闘を繰り広げた時、青木はまだ高校生だったのだ。青木はジェネレーションギャップも感じているという。

「僕の中では37、38歳にひとつ壁がある。その世代には魔裟斗さんや秋山(成勲)さんみたいに銀座で遊びたいとか派手な生活をしたいという価値観がありますよね。それ以上の桜庭さんの世代になるともう『どんぶり』ですよね」

4 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る