若手が台頭。リオ五輪に向けて柔道界の活性化なるか (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文text by Oriyama Toshimi

 その後は浅見の組み手の上手さに試合をコントロールされる場面もあったが、「有効で終わるつもりはなかったので下がる気持ちはなかった。浅見さんは組み手がうまいが、前に圧をかけてそれを封じ込めるつもりだった」と反撃する余裕を与えずに押し切った。

「浅見さんとは初対決だったので、自分はチャレンジャーだと思って立ち向かった。今回はポイントを取って勝つのが目標だったけど、それができたので次に対戦するときは一本を取って勝ちたい」

 そう話す近藤は昨年、この大会で優勝して次への道を切り開いていた。

「去年はこの大会で一歩飛躍したけど、まさか(優勝まで)いけるとは思っていなかったし狙って獲ったものではなかった。今年はしっかり狙って結果を出せたから、来年も狙って獲る年にしたいと思います」という。だが浅見との戦いで、彼女のスピードや組み手の厳しさを改めて感じ、「パワーだけではやっていけない」ということも感じたと言う。

 それに対して浅見は「今回が3試合目だが、(私も)回数をこなすごとに良くなって来ていると思うし、これからもっと積極的に挑戦者として戦うことができるのではないかと思った。近藤さんと戦って勝てるかどうかはわからないが、もう一度やりたいという気持ちはあります」と勝気な気持ちを見せる。

 南條充寿女子監督も「有効を取ったあと、両者とも指導がひとつも出ないいい試合だった。近藤は昨年のこの大会で優勝して世界の頂点までいったが、同じ大会で結果を残せたのは自信になるはず。浅見も1試合目はもたついたが、そのあとは吹っ切れたように持ち味と強さを出せていた」と評価する。

 今回は若い選手が勝った男女の新旧対決。これからリオデジャネイロ五輪へ向けて、さらにその戦いはヒートアップしていきそうだ。

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