2013.11.12

【ボクシング】次世代の「パウンド・フォー・パウンド」は誰だ?

  • 原 功●文 text by Hara Isao photo by AFLO

 5位のノニト・ドネアは、「パッキャオ2世」と呼ばれる軽量級のスター選手。すでにフライ級からスーパーバンタム級まで、4階級を制覇した実績を持つ。11月9日に行なわれたビック・ダルチニアン(アルメニア/アメリカ)との試合では苦戦を強いられたものの、9回に得意の左を打ち込んで決着をつけた。2014年には、5冠目となるフェザー級で王座に挑戦することになりそうだ。また、近い将来、スーパーフェザー級に上げて内山高志(ワタナベジム/WBA王者)に挑戦――という可能性が出てくるかもしれない。

 6位のローマン・ゴンサレスは、日本では「ロマゴン」の通称で知られる軽量級の雄。11月10日に両国国技館でKO勝利を収め、デビューからの連勝を37(31KO)に伸ばしたばかりだ。ミニマム級、ライトフライ級に続き、フライ級でも戴冠を狙っている。

 7位のダニー・ガルシアは、昨年からトップ選手たちを次々に退けており、勢いがあるスーパーライト級の世界王者だ。近い将来のメイウェザーの対戦相手としてもリストアップされている注目株。

 そして8位以下には、無冠のホープ3人を並べてみた。現在のヘビー級はWBC王者の兄・ビタリと、WBA・IBF・IBO王者の弟・ウラジミールのクリチコ兄弟(ウクライナ)がトップを独占している状態で、アメリカでは2006年以降、ヘビー級王者を輩出していない。それどころかヘビー級王座挑戦は、7年間に18連続失敗という惨状にある。そんななかで大きな期待を背負っているのが、8位のデオンテイ・ワイルダーである。2008年北京五輪のヘビー級銅メダリストでもあるワイルダーは、身長201センチ、体重102キロの恵まれた体格を持つハードパンチャーで、プロ転向後の30戦すべてでKO勝ちを収めている。早期での決着ばかりなため、まだ4ラウンド以上を経験していないが、WBC3位をはじめ、主要4団体で好位置につけている。2014年には世界挑戦のチャンスが回ってくるはずなので、低迷が続くアメリカ・ヘビー級の救世主になれるか。

 9位のゲイリー・ラッセル・ジュニアは、5年前にアメリカ代表として北京五輪に臨んだが、体調不良のため欠場という挫折を味わっている選手である。元6階級制覇王者のオスカー・デラ・ホーヤ(アメリカ)と契約を交わしてプロ転向を果たしたサウスポーで、現在は順調に成長している。WBOの指名挑戦権を有しているため、来年4月までにWBO王座挑戦が濃厚だ。

 10位のテレンス・クロフォードは、俊敏な動きと強打を身上とする逸材で、すでにライト級でWBO王座への指名挑戦権を持っている。アメリカのプロモート最大手トップランク社のバックアップも得ており、来年には世界の頂上に駆け上がりそうだ。

 日本ではあまり知られていないが、いずれも世界では、「次世代のボクシング界を担う」と評判の逸材ばかりである。1年後、2年後、3年後……、いったい誰が「パウンド・フォー・パウンド」の座にいるのだろうか。今から覚えておいて、決して無駄ではない。

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