【格闘技】旗揚げ20周年、パンクラスの大逆襲が始まる (2ページ目)

  • 布施鋼治●文 text by Fuse Koji
  • photo by Koji Kasai

ライト級トーナメントには、かつて五味隆典を破った猛者・北岡悟も出場ライト級トーナメントには、かつて五味隆典を破った猛者・北岡悟も出場 それを裏付けるように、今大会最大の売りはライト級とバンタム級の二階級で争われる「パンクラスワールドスラムトーナメント」の開幕だ。国内のMMAの底上げと活性化を計るため、赤コーナーにはパンクラスのトップランカーだけではなく、他団体の現役王者やトップランカーの顔が並ぶ。青コーナーは全員パンクラスと提携する海外ジムからの参戦組だ。

 中でも、ライト級ワールドスラムに出場する現DEEP同級王者・北岡悟の参戦は大きな話題となっている。それもそのはず、かつて北岡はパンクラスに10年も在籍し、その後期は団体のエースとして活動していたからだ。しかし、「パンクラスより自分が大事」という理由で3年前に離脱した。後悔はないが、北岡のパンクラスに対する思いは複雑だ。出場発表記者会見では、その気持ちの一端を剥き出しにした。

「DEEP対パンクラスではなく、北岡悟対パンクラス。戻ってきてくれてありがとうと思われてるようじゃダメ。(大会を)全部奪い去りたい」

 北岡は自らの対戦相手として外国人選手の中で一番実績のあるドム・オーグラディを指名し、一回戦で事実上の決勝戦が実現することになった。

 ほかにもライト級とフライ級のタイトルマッチ、20年前の旗揚げ戦にも出場した髙橋義生と川村亮の「負けたら引退」マッチ、"エロ強"として一部のマニアから絶大な支持を受ける女子選手、中井りんの国際戦など対戦カードは盛りだくさん。公式戦以外でも人気上昇中の紅蘭(くらん 俳優・草刈正雄の長女)がリングアナとして登場したり、「キン肉マン」の作者ゆでたまごの子息で格闘家である中井光義がエキシビションマッチに登場するなど、コアなファンだけではなく一般大衆も興味を抱きそうな仕掛けを多々用意している。

 様々なエッセンスを取り込みながら、パンクラスはもう一度"世間"と勝負しようとしている。


『PANCRASE252』
9月29日、横浜文化体育館
詳細は→http://www.pancrase.co.jp/index.html

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