【ボクシング】1ヶ月に世界戦11試合。その勝者、覚えていますか?

  • 原 功●文 text by Hara Isao photo by AFLO

 世界陸上や世界柔道が行なわれるなど、いつにも増してスポーツの話題が多かった8月――。だが、ボクシングも負けてはいない。8月1日から9月3日までの約1ヵ月間に、なんと日本人ボクサー11人が世界戦に臨んだのである。ボクシングは季節に左右されるシーズンスポーツではないため、これだけの世界戦が一定期間に集中することは珍しい。その結果、日本ボクシング界は男子10人、女子5人、合計15人もの世界チャンピオンを擁することになった。ただ、この状況を「隆盛」と判断すべきなのか、はたまた「世界の大廉売」ととらえるべきなのか、意見は分かれるところだ。

現在、世界バンタム級の日本人王者は3人。WBCの山中慎介(写真)とWBOの亀田和毅、あとひとりは誰?現在、世界バンタム級の日本人王者は3人。WBCの山中慎介(写真)とWBOの亀田和毅、あとひとりは誰? 8月1日から9月3日までの約1ヵ月で行なわれた、世界戦のカードと、その結果を列記してみた。

【ボクシング世界タイトルマッチ】
8月1日(木) WBO世界バンタム級タイトルマッチ(フィリピン・セブ島)
● パウルス・アンブンダ(王者/ナイビア) 0-3 亀田和毅(5位/亀田ジム) ○
8月1日(木) WBA世界フライ級暫定タイトルマッチ(タイ・バンコク)
● コンパヤック・ポープラムック(暫定王者/タイ) 0-3 江藤光喜(7位/白井具志堅ジム) ○
8月12日(月) WBC世界バンタム級タイトルマッチ(東京・大田区総合体育館)
○ 山中慎介(王者/帝拳ジム) KO ホセ・ニエベス(7位/プエルトリコ) ●
8月12日(月) WBC世界フライ級タイトルマッチ(東京・大田区総合体育館)
○ 八重樫東(王者/大橋ジム) 3-0 オスカル・ブランケット(11位/メキシコ) ●
8月15日(水) WBA女子世界スーパーフェザー級暫定王座決定戦(韓国・インチョン)
○チェ・ヒョンミ(1位/韓国) 0-3 風神ライカ(3位/竹原&畑中ジム) ●
8月17日(土) WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ(メキシコ・カンクン)
○ 三浦隆司(王者/帝拳ジム) 3-0 セルヒオ・トンプソン(1位/メキシコ) ●
8月18日(日) WBO女子世界ミニフライ級タイトルマッチ(韓国・ソウル)
○ホン・ソヨン(王者/韓国) 2-1 安藤麻里(4位/フュチュールジム) ●
8月24日(土) WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ(アルゼンチン・トレレウ)
○ オマール・ナルバエス(王者/アルゼンチン) TKO 久高寛之(15位/仲里ジム) ●
8月31日(土) WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ(メキシコ・メキシコシティ)
○ アドリアン・エルナンデス(王者/メキシコ) TKO 角谷淳志(12位/金沢ジム) ●
9月3日(火) IBF世界スーパーフライ級王座決定戦(香川・高松市サンメッセ香川)
○ 亀田大毅(3位/亀田ジム) 3-0 ロドリゴ・ゲレロ(4位/メキシコ) ●
9月3日(火) WBA世界スーパーフライ級暫定王座決定戦(タイ・ナコンラチャシマ)
○ デンカオセーン・クラティンデーンジム(4位/タイ) 1-2 名城信男(5位/六島ジム) ●

 このうち、日本国内で試合をしたのは、山中慎介、八重樫東、亀田大毅の3人だけ。残りの8人は、フィリピン、タイ、韓国、メキシコ、アルゼンチンなど、海外での試合だった。そして11人中、勝利を収めたのは6人(江藤光喜、亀田和毅、山中慎介、八重樫東、三浦隆司、亀田大毅)。ただし、江藤が手にしたWBAの暫定王座は、日本ボクシングコミッション(JBC)、および国内ジムの組合的組織である日本プロボクシング協会(JPBA)は認定していない。

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