【総合格闘技】関根勤が語る「UFC JAPANはココを見よ!」 (2ページ目)

  • 石塚 隆●構成 text by Ishizuka Takashi
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro, Getty Images

「PDIDEで総合格闘技の時間が止まっている人こそ見てもらいたい」と関根氏は語る「PDIDEで総合格闘技の時間が止まっている人こそ見てもらいたい」と関根氏は語る あと、UFCの特徴は、八角形の金網で囲まれた『オクタゴン』で試合が行なわれるという点ですね。四角形のリングは元々、立ち技のボクシング用に作られた物で、寝技には適していないんです。ロープの下から身体が外に出てしまったり、選手がロープをつかんでしまうことで、進行の妨げになっていた。だけど、オクタゴンでやると膠着状態以外でのブレイクがないので、試合展開がスムーズになるんです。

 またオクタゴンには、四角形のリングにはない金網を使った技術や攻防があって、たとえばリングだと、コーナーを使ったり、ロープワークで休んだりして、ごまかせた部分があるんだけど、オクタゴンは動き続けなくちゃいけない。だからスピードとスタミナ、そして圧倒的なフィジカルがないと勝ち残れないんですよ。

 多くの日本人選手が苦戦を強いられている中、今回UFC JAPANに出場する岡見勇信選手が、選手層の厚いミドル級で奮闘しているのは素晴らしいことです。昨年の同大会では、対戦相手のティム・ボッシュ(アメリカ)に残念ながら逆転負けを食らいましたけど、今回はその悔しさを晴らすチャンスだから、ぜひやってくれるでしょう。ただ、相手のヘクター・ロンバート(キューバ/オーストラリア)は強敵ですよ。キューバ出身で、柔道73キロ級のシドニー五輪代表。しかしここで岡見選手が勝てば、以前取り逃したミドル級王座に再び挑戦できるかもしれないので頑張ってほしいです。

 また、五味隆典選手の相手であるディエゴ・サンチェス(アメリカ)も強い。打撃・寝技ともに優れたファイターで、今回はUFC復帰戦なので気合いが入っています。この相手に五味選手がどこまでやるのか----。UFCも7戦目、かなり戦い方がフィットしてきたので、『火の玉ボーイ』の意地を見せて欲しいですね。

 そして日本人に馴染みのある選手といえば、やはりメインを戦うヴァンダレイ・シウバ。UFCでは負け越しているんだけど、爆発力は健在です。大好きだと公言してはばからない日本で、ぜひいいところを見せて欲しい。一方、相手のブライアン・スタン(アメリカ)は東京・横田基地生まれという変わった経歴を持つ、海兵隊あがりのファイターです。打撃に優れた選手で、シウバとはKO必至の殴り合いが見られるかもしれませんね。

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