2012.12.20

【ボクシング】スーパーバンタムで復活ののろし。
長谷川穂積「俺がボクシングを続けるワケ」

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 作田祥一●撮影 photo by Sakuta Shoichi

真正ボクシングジムで山下正人トレーナー(右)とトレーニングに励む長谷川 そして10月13日、奇しくもWBC世界スーパーバンタム級名誉王者・西岡利晃が『パウンド・フォー・パウンド』ノニト・ドネアとの王座統一戦に敗れた日、長谷川はフェザー級から1階級下げたスーパーバンタム級で試合に臨むことを発表する。

 2012年12月22日、神戸市立中央体育館で行なわれる、アルツロ・サントス(メキシコ)との10回戦――。 試合の2週間前にジムを訪ねると、減量が始まり、決して楽ではないはずなのに、晴れやかな顔でトレーニングを行なう長谷川がいた。

――階級をひとつ下げての試合。大きな決断だったのでは?

長谷川 ひとつ下げてやってみるのもチャレンジになるんで。ノンタイトル戦をするなら、何かしら自分の中で理由をつけなければいけないから。減量はフェザーよりもしんどいですけど、自分がやってみたいと思ったんで、いいかなと。

――体がフェザー級に慣れたのでは?

長谷川 それはありますけど、1ヵ月半かけて5キロは落としたんで。だいぶ楽にはなりましたね。

――スーパーバンタムという初めての階級で、どんなボクシングをしようと?

長谷川 打たれず、打つ。攻防一体のボクシング。もちろんどんな試合になるか、それは僕自身も試合当日しか分からないです。やったことがないから。

――ただ、フェザー級での3試合(ブルゴス戦、ゴンサレス戦、フェリックス戦)は、体格の大きな選手に挑み、倒そうとする意識が強く攻撃偏重に。「長谷川は、バンタムで防衛を重ねたころのスタイルには、もう戻れない」という識者の声もあります。

長谷川 自分でも、フェザーでの3試合は攻撃偏重という意識がありました。ただ、それは倒そうとしたからじゃない。タイトルを獲った試合に関しては、「強い自分を見せたい」と気持ちが走っただけ。それはそれで、良かったと思ってます。ただ、その後の2試合は、その気持ちが抜けなかった。だから、フェザーだから攻撃重視にしたわけじゃなくて、心の問題だと思ってます。

――母に捧げた試合(ブルゴス戦)の余韻が残っていた?

長谷川 そうですね。フェザーでタイトルを獲った後、本来のスタイルを取り戻すために、2年かかったってことです。逆に言えば、フェザーでタイトルを獲ってから、2年の休養が必要やったんですよ。

――12月22日のアルツロ・サントス戦、その先に何か見えていますか?

長谷川 今の時代、チャンピオンになってからがスタートなんですよね。チャンピオンにならないと、他のチャンピオンに絡めないから。逆に言えば、絡みやすくなった時代。統一戦にしてもそうだし、来年からはWBO、IBFも認可される。早いことチャンピオンになったほうがビッグマッチができますから。