【プロレス】金沢克彦×ユリオカ超特Q「90年代黄金期を語ろう!」 (2ページ目)

  • 高松えみ子●取材・文 text by Emiko Takamatsu
  • 本田雄士●写真 photo by Honda Takeshi

金沢 言われてみると、確かに似合いますね。有名なジュニア時代のチャボ・ゲレロ戦(78年10月20日、大阪・寝屋川市民体育館)の時も、ドラゴン・ロケットで客席に突っ込んで頭が切れて大流血してましたよね。

ユリオカ その飛んで行った方向に、まだ交際する前の伽織夫人が観ていたという。だから、藤波さんはチャボじゃなくて伽織さんに向かって飛んで行ったんじゃないかという説もありますけどね。あとは93年1・4の長州vs天龍も是非とも収録してほしいですね(32号に収録予定)。ゴツゴツした試合で、昭和っぽい香りがあって好きなんですよ。

猪木、長州を圧倒したムタの存在感

金沢 僕の場合は、99年の1・4が絶対的に残っちゃっていますよね。2000年代に入ろうとする時代の変わり目に、大仁田厚が新日本に初参戦して、さらに小川直也vs橋本真也のグチャグチャの試合があった時です。だから、試合内容というよりもインパクトですよ。

――東京ドームと言えば、10号には95年10月9日の新日本vsUWFインターナショナル全面対抗戦が全試合完全収録されるんですよ。

金沢 あれはもう史上最高の対抗戦でしたよね。

ユリオカ 僕の中では新日本vsUインターといえば、やっぱり最初の横浜アリーナ(9月23日)。長州、永田裕志vs安生洋二、中野龍雄(現・巽耀)ですよ。あの時、長州さんの顔が無表情になるんです。それが逆に怖いというか凄みを感じる。"冷たい顔"をしていたんですよ。それがビジョンにアップになって、「ああ、いつもの長州と違うな...」って。

金沢 その試合後に、「俺をキレさせたら、たいしたもんだよ」というフレーズが飛び出したんですよね。それが10・9での有名な「キレちゃいないよ」に繋がっていって(笑)。Uインターとの対抗戦では、長州がアマチュアレスリングでトップを取ったアスリートとしてのプライドを圧倒的に見せたという感じがしますね。同時に、新日本の他の選手にも見せつけた。選手の間では、対抗戦への反発が大きかったんですよ、選手会長だった橋本は1億円トーナメントへの参加を呼びかけられたり過去にUインターとはいろいろ因縁がありましたし、武藤も「なんで潰れる団体を助けなきゃいけねぇんだよ」と言っていましたから(笑)。

ユリオカ 武藤さんらしいですね。目に浮かびますよ(笑)。

金沢 そこで長州が先陣を切って出て行って「俺がやったんだから、お前らもやるんだよ」と。そういう意味で、あの当時の長州は有言実行型の最高のリーダーだったと思いますね。

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