ゲーム配信を行なうインフルエンサーに広告収入・スポンサー契約の内情を直撃。本業と両立するみしぇるの答えは? (3ページ目)

  • 都合亮太●取材・文 text by Togo Ryota
  • 石川高央●撮影 photo by Ishikawa Takao

 また、2019年の世界大会でも大会直後の配信で改めてSHUREさんを薦めました。そうしたら、また爆売れしたみたいなんです。当時複数のメーカーさんから御一緒できないかというお話もありましたが、SHUREさんに専属契約を結んでいただきました。

――現時点で「配信者」としての収入はどれくらいですか。

 配信による広告収入が新卒1年目くらい。スポンサー契約がSHUREさんとゲーミングPC「OMEN by HP(オーメン・バイ・エイチピー)」さんの2つで、合わせると一般的な会社の中間管理職くらい。

 イベント出演や講演会等は変動が大きく、今年は大小合わせて40本は出演しています。また、「1ヶ月ほどこれを使ってほしい」という短期的な契約をいただくこともあり、おおよそ半年くらいは何らかのスポット契約を結んでいます。

――そういったお仕事をする上でさまざまな交渉が発生すると思いますが、心掛けていることはありますか。

 能動的に提案することですね。お仕事のお話が来たとしても、ご提案をそのまま受け入れると単発で終わってしまったり、ステマのようになってしまう場合もあります。あくまで私の主観ですが、ファンの方々は「これは明らかな案件だな」とか、「仕事として言わされているな」というのをかなり敏感に感じ取ります。その時点で、そのお仕事って失敗になってしまうと思います。

 これでは企業さんも視聴者さんも幸せになれないですよね。紹介した製品等を実際に手に取りお金を出すのはファンの方々です。そんな方々の期待を裏切らないことを、常に意識しています。

 なかには、短期間で一生分の生計を立てられるほどの成果を出せる方がいると思います。それはご自身が引き寄せた運や縁が大きく関係すると思います。私自身も、今の生活ができているのは、運が大きく関係していると思っていて、刹那的に稼ぐセンスが自分にないことも自覚しています。

 一方で、現在のeスポーツ業界は刹那的な活動にすべてを懸けてしまう傾向にあると感じていて、そのために学校や仕事を辞める人も多い。多くのプロゲーマー、配信者にとってのピークは20~40代で、それ以降のことも考えて、長い目でキャリアを考えておかないと、将来後悔することになるかもしれません。

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