東大卒のプロゲーマーときどが10年間トップランナーでいられる理由 (3ページ目)

  • スサキリョウタ●取材・文 text by Susaki Ryota
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

――eスポーツでの活動を通して、社会に対してどんなことを伝えていきたいですか。

 真面目に取り組んでいれば、ゲームは決して悪いことではないということを伝えたいですね。

 自分は東京大学を卒業していますが、学生時代に勉強を頑張れたのもゲームのおかげなんです。海外のプレーヤーとコミュニケーションをとるために英語を勉強したり、攻略のためにデータ分析をする過程で数字に強くなったりと、ゲームのおかげでゲーム以外の部分でも成長できました。

 自分がゲームに打ち込むことで、どんないい影響があったのかを、身をもって見せていきたいと思います。

――自分が成長することで、eスポーツの価値を上げていくということでしょうか。

 そうですね。eスポーツは選手を含め、業界に関わる全員が意識して盛り上げていかないと簡単になくなってしまう世界だと思っています。自分がゲームのすばらしさを伝えることでもっと多くの人が楽しむようになってほしいですし、若手プロゲーマーたちが安心して取り組める環境を作っていきたいと思っています。

――いずれは、選手活動ではなく啓蒙活動に軸を置くことも考えていますか。

 いや、生涯現役で活動していきたいです。今でこそ自分はトッププレーヤーの一人として数えられるまでになりましたが、本当の意味で「最強のプレーヤー」になったかというと、そうではありません。まだ伸びしろがあると思うので、自分の将来が楽しみですね。

 フィジカルスポーツの世界でも、サッカーの三浦知良選手やテニスのロジャー・フェデラー選手のように長く現役でプレーされている方がいらっしゃいますから、そういった方々を見習って選手活動を続けていきたいです。

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