ナスリが鹿島で描くW杯への道。「eスポーツ世界一を目指したい」 (3ページ目)

  • 渡辺静●取材・文 text by Watanabe Shizuka
  • 高橋学●写真 photo by Takahashi Manabu


――今年の『FIFA』はナスリ選手にとって3シーズン目()ですが、海外大会にも慣れてきているのではないですか?
※『FIFA』シリーズは現在1シーズン制で、毎年新作が発売されるタイミングでシーズンが変わる

「慣れてきましたね。でも、最近は慣れていないほうが、いい面があるのかなとも思っています。

『FIFA』では細かい動きに気を配っていると、イライラしてしまうことが多いんです。日本でも海外でも、感情が高ぶってモニターやコントローラーを壊してしまう人が当たり前にいるくらい。いつもより緊張感を持って自分をコントロールしているほうが、一つひとつを大切にプレーできるのかなと思います。初めて出たGlobal Series Playoffsでは緊張感を持ってやれたので順位が一番よかったですし。

 だから、海外の大会を何度も経験するほうがいいとか、海外に移住するほうがいいとか、さまざまな意見がありますが、それが絶対的にいい方法とは限らないと思います」

――現時点で、ご自身と海外プレーヤーとの壁は感じますか?

「毎回優勝争いをするような、世界のトッププレーヤーとは差がありますが、そのほかの選手たちとの差はあまり感じません。今の目標はそういったトッププレーヤーになることです。

『FIFA』はこのコンボ技を使えば強くなるという単純なゲームではないので、どうしたらトップに追いつけるのか、プレー面での課題はどこにあるのか、まだ模索しているところです。課題を明らかにして今作のゲーム性()に適応できれば、トップ層に到達する自信はあります」
※『FIFA』シリーズは毎作プレー感や有利な戦略が異なるため、プロプレーヤーたちは作品ごとにプレースタイルの調整を求められる

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