元女子バレー日本代表・栗原恵が「眞鍋ジャパン」のアタッカー陣を評価。右手手術を乗り越えたセッター籾井あきも「またチャンスがある」

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by FIVB

――昨年の6、7月に行なわれたネーションズリーグ(VNL)は、8連勝から最後は連敗。全体を通してどんな印象でしたか?

栗原:大会の前半は、眞鍋監督が目標として掲げていた真ん中からの速いバックアタックがすごく決まっていました。ピンチの時にもそこで乗りきるシーンがありましたね。サーブレシーブが安定していたので、短い時間で組み立てたとは思えない質の高いコンビのバレーができていました。

 サーブもよかったです。相手国のサーブで狙う選手がハッキリしていて、選手たちのサーブの球質もすごくよかった。ただ、VNLは長期間でデータが揃っていく分、その対応などが難しい大会。予選は4試合ずつ、世界各国を転戦するスケジュールもかなりハードですから、後半はその疲れもあったんだと思います。

――9、10月の世界バレーでは、3戦目の中国戦でキャプテンの古賀紗理那選手がケガを負って離脱。ただ、次戦のブラジルに勝つなど、その後は奮闘しました。
 
栗原:すばらしかったですね。以前は古賀選手が絶対的なポイントゲッターで、「いないと厳しい」という時期もありました。古賀選手が離脱したことは残念ですが、結果として、「ファイナルまで勝ち上がって、また古賀選手とプレーしよう」という形でチームがまとまったように感じます。

 代わりに出た石川真佑選手をはじめ、井上愛里沙選手、林琴奈選手など、技術力が高い選手がうまくかみ合って、また違う雰囲気のチームができた。対戦相手からしたら、古賀選手中心のチームとして分析していたでしょうから、「すごく嫌だろうな」と思って見ていました。

――2大会を通して、栗原さんが注目した選手はいますか?

栗原:まずは林選手。私がJTマーヴェラスで現役最後のシーズンを過ごした時(2018-19シーズン)に1年目の選手でした。当時から攻守に安定感があって、「本当に若手?」というベテラン選手のようなプレーをしていましたね。バレーをよく知っていて、"勝ちどころ"も知っている選手。昨年度の日本代表でも、彼女が日本の要になっていると感じました。他の選手に安心感をもたらす存在ではないでしょうか。

 でも、ふだんはすごく性格がよくて、よく独り言を言っているようなお茶目でかわいい子です(笑)。試合とのギャップが魅力なので、今後は、あのキャラをもっと出してほしいですね。

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