清水邦広が考える「バレー界のために」。大学生Vリーガーたちへの助言と闘争心、ビーチバレーとの「二刀流」にも意欲 (2ページ目)

  • photo by 火野千鶴

――清水選手から何かアドバイスをしたことは?

「特にスパイクに関して、『助走はこう入ったほうがいいよ』とか、ブロックがついた時の打ち方といったことなど、気づいた時にすぐに声をかけるようにしていましたね。特に高校生だった牧選手は、独特のクセがあって能力や身長(210cm)を活かしきれていないように見えました。

 具体的には、長身選手によくあることなんですが、少し手打ちになってしまっていた。右利きの彼の場合は打つ前に左手をしっかり上げて、右手を振る時にグッと締めるようにすると力がよく伝わりますし、高さも出る。日本代表で活躍する選手たちはみんなフォームがきれいだと思うんですが、それは全身の力をうまく伝えられている証明でもあります。

 牧選手も高校時代は、あれだけの身長があれば難なく上から決められていたと思います。でも、大学、Vリーグ、日本代表でも戦うとなるとそうはいかない。フォームを改善しないままでいると、今後の長いキャリアで大きなネックになる可能性があると思ったので、それは重点的に話しました」

――逆に彼らから刺激をもらえることもありましたか?

「体のキレもそうですし、少しだけアップして強烈なスパイクを打つところなどを見て『若いなぁ』と思いましたよ(笑)。僕らベテランは入念にアップをして、動きを慣らしてから全力で、という感じですからうらやましい部分もありましたね。ただ、『負けてもいられない』という闘争心も生まれました。技術などで彼らのパフォーマンスを上回れるように、という意識はありましたね」

――自身の成長に関しては、以前に「ビーチバレーにも挑戦してみたい」という話もされていましたね。

「ビーチもやりたいですね。今でもオフにやることはありますが、インドアのバレーとは必要な技術、プレーもまったく違う。同じ"バレー"がつくけど遠い存在に感じます。それでも、練習していくと少しずつうまくなっていく。僕は今年で36歳ですが、この年で成長を実感できることがうれしいです。

 僕の理想としては、インドアとビーチを両方やりたいですね。Vリーグのシーズンは10月から、黒鷲旗大会を含めて5月まで。日本代表ではない選手は、そのあとの夏の時期はトレーニング重視で個々のレベルを高めていく選手が多いですが、その期間にビーチをやりたい選手はどんどんプレーしてもいいと思うんです」

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