現役大学生がVリーグ途中参戦で新人賞獲得。大塚達宣が語る、名門・パナソニックで得た「技術と自信」

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by Mona

「やれる」と思ったターニングポイント

――最初に練習参加した時のことを覚えていますか?

「チームに帯同してすぐに試合があったので、"お客さん"のように様子を伺いながら、という感じではありませんでした。僕自身、そういう遠慮はあんまり好きではないですしね。自分から積極的にアクション起こしていって、わりと早い段階でチームに溶け込むことができたんじゃないかと思います」

――デビュー戦となったFC東京の試合は、大きくリードしたところでの途中出場でした。同じような起用が増えるのかとも思いましたが、そこからチームの主力選手のひとりになることは想像できましたか?

「正直なところ、『主力として試合に出たい』といったことは考えていませんでした。出場機会をいただけるのはありがたいですし、『出場したら自分らしくプレーしよう』と思っていましたが、普段の6対6の練習など、試合に近い状況でプレーしながら学びたいと考えていましたから」

――しかし、デビューした次の週以降、スタートから起用されるようになります。Vリーグでやっていけると思えたターニングポイントなどはありますか?

「最初にスタートで使ってもらった、1月15日の大分三好戦です。この試合はフルセットで負けてしまったんですが、大学とは違う"タフさ"を実感しました。1試合1試合、本当に苦しい思いを積み重ねてやっと勝つことができるんだと。

 そのほかの試合では......どれやろ(笑)。『チームとしてガチッとハマったな』と思ったのは、3月に入って東レさんやサントリーさんに勝ったあたりですかね。僕も『自分にとってこれがベストな形』というプレーというか、3カ月やってきたことの集大成の形ができてきた時期でしたが、そのあたりからチームが崩れにくくなった印象があります」

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