「Vリーグは時代に逆行している」。西田有志が語る、イタリアに見習うべき日本バレー界の改善点

  • Text by Sportiva
  • photo by Italy Photo Press/アフロ

――2020-21シーズンからは、ホーム&アウェー方式も採用されました。

「せっかくホーム&アウェー方式にしたのに、ひとつのチームが何個もサブホームを持っていると、その特徴を最大限に生かせないんじゃないかと感じていました。日本全国、いろんなところでバレーができることは魅力でもありますが、サブホームは遠隔地にあることもありますし、その地を訪れる機会も少ないですから試合以外の何かで貢献することは難しい。それでは、その地方の方々も満足はできないんじゃないか、そもそもチームが認知されているのか、という不安があります。サッカーのようにホーム地を絞り、そこに密着した活動、『地域貢献』ができたらいいのでは、と思っています」

――イタリアでの地域貢献はどんなことを行なうんですか?

「僕が所属するビーボは、ボランティアとして地元のスーパーに行くこともありましたね。そのボランティアの方法がすごく変わっていて、『クリスマスなので商品を買ってください』というチラシを作り、(チームのスポンサーである)トンノカリッポの袋をお客さんに渡す。その中に買った商品を入れて戻してくれたら、それが困難な地域に寄付されるというシステムでした。

 選手たちはスーパーの前で約2時間、袋を配り続けながら声かけもしました。集まったダンボールは7、8個くらいになりましたね。日本でよく見る募金もいいですが、僕個人としては物を寄付する形のほうがいいなと思いました。スーパーの売上げも上がって"ウィンウィン"にもなりますし。ぜひ各チームやリーグに取り入れてほしい方法です」

――他に、違いを感じる点はありますか?

「会場の雰囲気ですね。Vリーグの会場の演出は『本当にこれが最大限なのかな?』と疑問に思っていました。ホーム&アウェー方式なので、アウェーで試合をするチームが音響を使えないというのは理解できるにしても、音響を使えないなりに、アウェーチームを応援する人が盛り上がれる雰囲気づくりをしているのかと。

 僕が所属するビーボをはじめ、イタリアの応援は手拍子だけでも会場がすごく盛り上がります。手拍子は相手チームも誰でも、自然とできる行動ですし、それをやりやすい雰囲気ができている。ホームチームにアドバンテージはあっていいですが、相手チームを応援する人も含めて、会場に来た人すべてに『面白い』と思わせることが大事です」

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