男子バレー髙橋藍のイタリア挑戦1年目。今は精神的に成長するチャンス。かつての石川祐希もそうだった (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

【試練を乗り越えて成長へ】

 髙橋が出場機会を増やしていくためには、カナダ代表のエリック・レプキーとのポジション争いで彼を上回らないといけない。厳しい闘いになるだろうが、これまでのバレー人生、日本代表でも控えの経験がほとんどなかった髙橋にとって、この試練は精神的にも成長するいい機会になるはずだ。

 中央大学時代の石川が、イタリア挑戦1年目で"オールスター軍団"モデナでプレーしていた時も、格下の試合に出場するくらいで控えが多かった。しかし、そういった経験を乗り越えて、石川はリーグ屈指の選手になった。「目標の選手」としてその背中を追いかける髙橋も、同じように成長していってもらいたい。

 石川との直接対決があるとしたら、現地時間2月27日に予定されているミラノ戦。ミラノは新型コロナ陽性者が4人出たため、リーグのプロトコルによって試合とトレーニングが延期になっている。この先、その影響が出るかもしれないが、対決が実現する頃までには出場機会を増やしておきたいところだ。

 ヴァレンティアに所属する西田有志を含め、セリエAで3人の日本人選手がプレーするのは初めてのこと。それぞれが日本代表として東京五輪を経験し、2024年のパリ五輪を目指す若き選手たちであることも特筆したい。

 日本人選手の扱いに"手慣れた"パドバによって、髙橋がどうステップアップしていくのか。2022年も目が離せない。

(第4回:富永啓生(バスケットボール)日本バスケの救世主となれるか>>)

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