突然の現役引退を発表したビーチバレーの坂口佳穂。「目標への『熱量』が失われてしまった」 (4ページ目)

  • 小崎仁久●取材・構成 text by Kosaki Yoshihisa
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 りこちゃんは、強打をどんどん打っていくポテンシャルのある選手なので、それをどう引き出そうかと思っていました。それに、とても明るい子で、落ち込んで悩んでいた私も元気をもらって、毎試合頑張れました。こんな形になって、りこちゃんには本当に申し訳ないと思っています」

――大学生になってから、ほぼ初心者でビーチバレーを始めて、国内外の大会で優勝。東京五輪の代表決定戦にも出場しました。2018年には世界大学選手権(ドイツ・ミュンヘン)の日本代表にもなっています。こうした実績は誇れるものだと思いますが、ご自身ではどう捉えていますか。

「自分でもよく頑張ったと思います(笑)。最初は部活のような感覚でスタートして、ビーチバレーを仕事にするなんてまったく考えていませんでした。『日本一の練習をしたら、日本一になれる』という言葉を信じて練習していただけでした。

 Vリーグや春高(バレーボール高校選手権)を経験していなくても、勝つことができるのがビーチバレーのよさなんですよね。だから、練習した分だけ強くなれるんだなと今では思います。

 高校でバレーボールを経験していないのは私ぐらいですよね? 高校の先生にも『よく頑張ったね。バレーボールの経験がなかったから優勝するような選手になるとは思っていなかった』とメッセージをいただきました。

 でも、ビーチバレーはひとりではできません。パートナー、コーチらがいて、チームとして成立します。そのチームをうまく築いていったり、練習に集中できる環境を整えることも大切です。これまで携わってきたチーム、パートナーやコーチもみんな、いい人ばかりで、私のことを考えて接してくれました。私は周りの人に恵まれていたと思います」

(つづく)

この記事に関連する写真を見る坂口佳穂(さかぐち・かほ)
1996年3月25日生まれ。宮崎県出身。武蔵野大卒。身長173cm。血液型A

 東京五輪開催を記念して作られた、世界中のトップ女子ビーチバレーボール選手を紹介するフォトブックが好評発売中だ。

「ビーチのシンデレラ」として人気の坂口佳穂選手をはじめ、二見梓選手、村上礼華選手ら国内美女選手に、東京五輪に出場した世界のトップ美女プレーヤーなど総勢32名を一挙掲載。

 さらに、元祖ビーチクイーンとして知られる浅尾美和さん、元オリンピアンの佐伯美香さんなど、過去の名選手のインタビューも収録。まさにビーチバレーファン待望の一冊だ。

 なお、付録として坂口佳穂選手のビックサイズポスターも付いている。

【定価】3080円(本体2800円+税)
【判型】B5判、96ページ
【出版元】(株)双葉社

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