元バレー選手・滝沢ななえが語る「レズビアン公表」の後。変わったこと、周囲との関係、いま大事だと感じていること【2021年人気記事】 (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

「私の場合は現役時代、セクシャル・マイノリティに不便さを感じていなかったので、特に周りに伝える必要はないと思っていました。そんな選手はあえて公表する必要はないと思います。

 ただ、セクシャル・マイノリティであることを言えずにパフォーマンスが下がってしまうようであれば、一番仲のいい友達だったり、チームメートだったりに勇気をもって伝えてみるのがすごく大事なことかもしれません。選手にとって最も大事なことはパフォーマンスを上げることですから」

 滝沢はこのように、セクシャル・マイノリティの方々を応援したり、世間のネガティブなイメージを払拭しようと考えているが、まだ足りないことがあると感じている。

「私には甥っ子、姪っ子がいるんですが、まだ小さいので自分がレズビアンだということは伝えていません。今後、どう伝えたらいいのかなと思っていますが、子供のころから、教育の中で自然とセクシャル・マイノリティに触れていくことは大切なことなのかなと思います。そこがあるとスポーツの現場でも理解がどんどん深まっていくと思いますね」

 セクシャル・マイノリティの人が自らのことを発信するだけではなく、男性、女性、人種を含め、人間には多様性があることを、教育の中に仕組みとして取り入れることも今後より必要になってくるはずだ。滝沢は最後に自身の未来について語ってくれた。

「私のような当事者が『セクシャル・マイノリティを認めてくれ』という思いを発信することも大切ですが、それ以上に、自分がどうしたいのか、自分なりの幸せをどう見つけていくのかということが、一番大事なことだと思っています。社会の変化に期待し、そこに頼るのではなくて、自分の人生は自分で切り開いていく。それがいいのかなと思っています」

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