髙橋藍に聞いた海外挑戦への思い。「シニアで通用するのか」の見方を覆す活躍の裏にあったプレッシャーとの闘い

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

「2024年のパリ五輪に向けて、まだ力不足なところがあると感じています。メンバーに選ばれるだけではなく、メダルを獲るための戦力になるには、海外でのプレー経験が必要だと考えています」

 今季のセリエAでは石川だけじゃなく、サウスポーエースの西田有志もプレーしている。

「イタリアに渡ったあとの西田選手と連絡を取った時には、現地の様子についていろいろ話しました。年齢は僕が2つ下で近いですし、バレー以外のこともすごく話しやすく、さまざまな面で頼りにしてます。西田選手はオポジットとしては身長が低いのに、爆発的なオフェンス力がある。体の厚みを見るだけでも、筋力がすごく高いのがわかりますよね。フィジカルの大切さをあらためて感じました。

 西田選手もすでにイタリアで活躍していますが、僕のレシーブ力はセリエAでも"売り"になるんじゃないかと思っています。その上でスパイクの力もつけて、世界レベルのオールラウンドプレーヤーになりたいです」

 今年度の代表でのプレーで見えた課題について、髙橋はブロックと前衛での攻撃を挙げた。特に前衛の攻撃については「海外の高いブロックの前では、パイプ(中央からの速いバックアタック)よりもコースを打ち分けることができなかった。それを少しでも改善したいです」と意気込みを語る。

 10月31日には関東大学リーグで優勝。11月30日からの全日本インカレ(日体大は12月1日が初戦)でも頂点を目指し、そしてイタリアへ。今後の髙橋の動向から目が離せない。

(後編:「たつらん」コンビ・大塚達宣との秘話>>)

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