狩野舞子が他競技の選手を取材して感じた、バレー界に足りないもの。引退後のキャリアにも言及した (4ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Murakami Shogo

――発信の仕方もそうですが、バレー選手のセカンドキャリアという点でも、狩野さんに話を聞きたい選手は多そうですね。

「そうですね。所属していたチームの会社で仕事をする、というイメージが強いと思いますが、実際は50%......それよりも少ないかもしれません。私が現役時代に最後にプレーしたPFUは会社で仕事をする日もありましたが、社員契約でもほぼプロ契約のような形で競技に集中する方針をとっているチームもあります。
 
 引退後に会社を離れた選手たちのその後は、私もわからないことが多いです。幸い、私はさまざまな仕事をさせてもらっているので、選手たちからも『引退後はどうしたらいいですか?』と相談を受けることもあります。みんなが解説者や指導者になれるわけではありませんから、不安に思うのも当然だと思います」

――その不安はどうしたら解消できそうでしょうか。

「現役中から、セカンドキャリアについていろいろ情報を得ておくことでしょうか。男子は大学を経てVリーグに入ってくることが多く、そこで得たことを活かして会社を立ち上げる選手もいますね。一方で女子は高卒の選手が多いので、知識や資格という点では選択肢が狭まると思いますし、どんな仕事をするかイメージがしづらい部分もあるんじゃないかと思います。

 熱心に取り組んでいたバレーをやらなくなったあとに何をしたらいいのか。それは、私もいまだに悩むことがあります。だからスポーツ選手だけにこだわらず、さまざまな人と話ができるような環境を各チームが作ってもいいんじゃないかと。私も自分のYouTubeチャンネルなどで、まったく違う道に進んだ元選手などに話を聞いて、少しでも悩む選手の参考になるようなことを発信できたらいいなって思っています」

■狩野舞子(かのう・まいこ)
1988年7月15日生まれ。東京都出身。15歳で全日本代表候補に選ばれ、久光製薬(現・久光)スプリングスに入団後は国際大会にも出場。左右のアキレス腱を断裂するなどケガと戦いながら海外リーグにも挑戦し、2012年ロンドン五輪に出場した。2015年には一度バレーボールから離れるも、2016年、PFUブルーキャッツでスパイカーとして復帰。2018年5月、黒鷲旗大会を最後に現役を引退し、現在は幅広い分野で活動している。

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