狩野舞子が他競技の選手を取材して感じた、バレー界に足りないもの。引退後のキャリアにも言及した

  • text by Sportiva
  • photo by Murakami Shogo

――狩野さん自身もいろんなスポーツに挑戦していますが、「バレーをやっていなかったら選手として活躍できたかも?」という競技はありましたか?

「どれも難しかったんですが、フィールドホッケーのキーパーをやった時は少し手ごたえがありましたね。バレーをやっていたから何かが高速で飛んでくることは怖くないですし、パックにも反応はできる。ゴールもそんなに大きくないですから、185cmの私がその前に立つと威圧感がでるみたいですし。フィールドホッケーに限らず、キーパー系は『わりとイケるかも』と思いました」

――そういった、普段はテレビ放映などがない競技の選手たちを取材して感じたことなどはありますか?

「競技の魅力、自分はどんな選手なのかなど、『ここを見てほしい』とアピールする能力が高くて、『競技を広めたい』という熱量もすごく感じました。一方でバレーボール界は、試合がテレビの地上波でも放送されるなど恵まれていますが、"伝える力"はまだ低いように感じます。私も現役時代の時は、取材されることが普通だと考えてしまっていました。しつこく取材で追いかけられるのも、選手側からしっかり発信ができていたら、そこまでされなかったかもしれない。

 バレー界全体が、よりメディア対応などについて考えていく必要があると感じています。チーム、選手によってできることは変わってくると思いますが、時には他の競技の選手とコミュニケーションを取って"学ぶ"機会を設けてもいいと思います」

――Vリーグもプロ化を目指しているところですが、よりメディアの対応が重要になってきそうですね。

「バレー界が積極的にSNSを使うようになってきたのは、ここ4、5年じゃないでしょうか。Vリーグはお客さんがけっこう入りますから、それに安心してしまうことで変化が遅れ、他競技に取り残されていくような感覚があります。特に東京五輪で女子バレーが悔しい結果に終わった今だからこそ、それぞれがオープンに発信できる環境が大切になると、個人的には思っています」

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