男子バレー髙橋藍が五輪から早くも進化。かつて西田有志を控えに回したサウスポーも上々デビュー

  • Text by Sportiva
  • 縞茉未●撮影 photo by Shima Mami

 中央大学在学中からセリエAとシニア代表で活動していた石川も、それに苦しむ時期があったように思える。髙橋、同じく大学生(早稲田大3年)の大塚達宣もそうだが、東京五輪や今年度の代表活動で得た経験をふまえ、どのように目標を立ててリーグを戦うのかが重要になるだろう。

 さらにアジア選手権では、西田がいないオポジットのポジションで、ジェイテクトSTINGSの新人である宮浦健人がシニア代表デビューを飾った。宮浦は西田と同じサウスポーのオポジットで、高校時代にはU-19アジアユース選手権で主将を務め、西田を控えに回す活躍でチームを優勝に導き、大会MVPを受賞。そのあとの世界ユースでも主砲として銅メダルを獲得した。

シニア代表デビューとなったアジア選手権で活躍した宮浦シニア代表デビューとなったアジア選手権で活躍した宮浦この記事に関連する写真を見る 西田は、「同じことをしていては、あの人(宮浦)を超えられないと思った」と、大学に進学せずにVリーグに進んだ経緯を振り返っている。そんな西田はジェイテクト、代表でも主力として急成長。その間、宮浦も全日本インカレ4連覇に貢献したが、日本代表としては「先を越された」形になった。

 そんな宮浦に関して、サウスポーの大先輩である清水は「クロスもストレートも打ち分けられる能力の高い選手」と高く評価する。西田のような見た目の派手さはないが、つなぎもこなす安定感があり、今回のアジア選手権では第2戦のバーレーン戦以外でスタメン出場した。

 オーストラリア戦では第1セットで調子が上がらず、途中交代した大竹に救われたように、シニア代表で高いパフォーマンスを維持する難しさも感じただろう。まずは今季のVリーグで、西田が抜けたジェイテクトのオポジットとして活躍し、大竹も含めた代表オポジット争いにしっかりと加わりたいところだ。

 日本代表は中垣内監督が9月いっぱいでの退任を発表。3年後のパリ五輪に向けて新しいチーム作りをしていくことになるが、髙橋、宮浦はそこでどう存在感を示していくのかに注目したい。

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