西田有志が「いつもと違う」と感じた東京五輪。強豪国との差を埋めるための課題も力説

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by Itaru Chiba/AFLO

 日本は五輪で29年ぶりとなるベスト8進出。負けた3試合も、予選のイタリア、ポーランド、準々決勝のブラジルとすべて善戦したように見えたが、西田は「(強豪国との)差は少しずつ縮まってきていると感じます。でも、なかなかその差を埋めきれないのが現状ですね」と厳しい表情で語った。

「強豪チームとも戦えるところは見せられたと思いますが、『よく戦った』だけで納得はしていません。僕らはスタッフも含めて勝つためにやっていますし、『惜しかったね』では満足できない。今後は、より自分たちに厳しく、ストイックにやっていかないといけないですね。

 細かい技術などの部分は大きな差はないと思います。日本のブロックも、相手のスパイクを止められなかった時でも手に当てる回数が多かったことは、データでも出ています。そういったディフェンスから試合の流れを変えるような1点のとり方は、やはり強豪国のほうが長けているので、日本も増やせるようにしたい。チームの集中力、戦術など、これから本気の強豪国との試合を重ねていくなかで突き詰めないといけないですね」

 西田個人としては、スパイクでの得点が目立った一方で、サーブではビックサーバーぶりが鳴りを潜めた。

「僕の調整不足ですし、選手としてまだまだレベルが低いということ。選手として成熟していかないといけないと思います」

 来年の世界選手権、3年後のパリ五輪に向けて、西田は新天地イタリアでさらなる成長を目指す。

(連載2:イタリア挑戦も「海外だけが正解じゃない」と話す理由>>)

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