女子バレー石川真佑が悔やむ韓国戦のあと1点。東京五輪の勝負どころで「迷ってしまった」 (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

――籾井選手は同じ21歳の"同期"ですね。具体的にはどんな話をしたんですか?

「ずっとチームとして取り組んでいた、速い展開での攻めについては常に意識を共有していました。前衛だけじゃなくて後衛の選手もしっかり参加して、4枚攻撃でしっかり攻めようといったこともよく話していましたね。ただ、速さを大事にしながらも、個人的には『しっかり打てるポイントで打ちたい』という時もあって。そういう時は『もう少しトスを浮かせてほしい』とも伝えていました。

 私が後衛の時もバックアタックを積極的に使って、前3枚での攻撃を活かすために、少しでもラクにするためにやるべきことも話しました。大会中、サーブレシーブ後などにうまくトスとタイミングが合わないこともあったんですが、それでも籾井は『もう少し勢いよく入ってきていいよ』と声をかけてくれて。私も『レシーブ後でもしっかり助走に入ろう』と意識し続けることができました」

――サーブを含めた相手から攻撃があった際の1本目のレシーブについて、中田元監督はあまり高く上げずにセッターに速くボールを返すスタイルを用いていましたね。

「今年は速さを意識しつつ、間を作ってコンビの精度を上げることにも取り組んでいて、籾井も1本目をレシーブする選手には間を作ってほしいと伝えていました」

――チームとしてはケニア戦の勝利後、強豪のセルビアとブラジルに連敗して韓国戦を迎えます。フルセットになった第5セットで先にマッチポイントを握り、そこから石川選手に連続でトスが上がりましたが決めきれずに逆転を許してしまいました。あの場面を振り返っていただけますか?

「(フォーメーション的にも)最後の苦しい場面、競った場面で自分にトスが上がってくるのはわかっていました。トスが上がればあとはアタッカーの責任だと思っているので、決めきる力や、スパイクの打ち方も含めてどう返すかという判断力が足りなかったということだと思います。

 自分が決めていればというのは前提ですが、客観的に振り返ると『攻撃の選択肢を増やせていたら......』と考えることもあります。アタッカー全員が助走に入る、それまでにミドルとのコンビを多く使っておくといった布石などもあれば、違った展開になった可能性もあったかもしれないと」

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