坂口佳穂、パリ五輪への再出発「ビーチバレーをしている以上、目指すべき場所は一番上」

  • 小崎仁久●文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 しかし一方で、坂口が得たものは大きかった。

「プレーや戦術だけでなく、パートナーへの声かけも、(鈴木)千代さんから学びたい」と言っていた坂口は、試合中でも頻繁に鈴木と会話をしていた。おかげで、戦術の変え方、声をかけるタイミング、基本的なことなど「新たな発見があった」と話す。

 そんな坂口を見て、鈴木も「試合中も(坂口から)いろいろと前向きな戦術のアイデアが出てきて、(坂口)佳穂もたくましくなったなぁと感じた(笑)」と言う。

 鈴木は続けて、坂口のプレーヤーとしてのよさについてこう語った。

「ポジティブさ、笑顔でプレーできる強さはすばらしい。それがないと、ワールドツアーでは勝てない」

 このチームはこれで解散し、今後の坂口のペアについてはまだ決まっていない。だが、彼女の目標に変わりはない。

「世界で戦いたい。トップに立ちたい。そう思ってビーチバレーをしているので、目指すべきところは一番上です」

 先輩からの貴重なアドバイスを胸に、新たな戦いに挑む坂口。先を見据える瞳の輝きは増していた。

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