2021.09.03

坂口佳穂、パリ五輪への再出発「ビーチバレーをしている以上、目指すべき場所は一番上」

  • 小崎仁久●文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 だが、第2セットに入って坂口&鈴木ペアもようやくエンジンがかかり始める。風の向きやレシーブのポジションを鈴木が細かく指示し、プレーの連携が向上。鈴木得意のツーアタックも冴え、完全にペースを握ると、21-13で第2セットをとった。

 第3セットも主導権を握ったのは、坂口&鈴木ペアだった。坂本&沢目ペアに流れが傾きかけても、鈴木が攻撃の幅を作り、坂口の強打で相手を翻弄した。そして、坂口が中盤にブロック、終盤にはサービスエースも決めて、15-12で第3セットを奪取。坂口&鈴木ペアがセットカウント2-1で逆転勝ちした。

 準決勝の相手は、溝江明香(31歳)&藤井桜子(30歳)ペア。東京五輪後に新しく組んだチームだが、2人は都立駒場高校の同級生で、2008年のビーチバレージャパン女子ジュニア選手権のチャンピオンという難敵である。

 それでも、坂口&鈴木ペアは1回戦よりも2人のコンビネーションが増して、鈴木が低いトスで攻撃のテンポを構築。坂口のサービスエースも決まって、第1セット序盤はリードを奪った。

 このまま坂口&鈴木ペアのリズムで進むと思われたが、中盤、長いラリーから溝江が強烈なスパイクを決めると、そこから溝江&藤井ペアの勢いが加速。藤井のサービスエースなどでポイントを重ねられ、16-21で第1セットを失った。

 第2セットに入っても、坂口&鈴木ペアは流れを取り戻すことはできなかった。安定したトスからパワーのあるスパイクで攻撃を仕掛ける溝江&藤井ペアに終始後れをとって、16-21で第2セットも落とし、セットカウント0-2で敗れた。

「サイドアウトから点につなげたかったが、うまく修正できなかった。相手のほうが上手だった」と鈴木。坂口も「サーブで相手に押されて、押し返すことができなかった。もっと早い段階で相手の特徴に合わせたブロックとディフェンスができればよかった」と反省の弁を口にした。

 また、鈴木にとってはこれが引退試合となった。坂口は「最後の試合に勝てなくてすみません」と涙も見せた。