キャプテン石川祐希の「スタイル」を荻野正二が絶賛。パリ五輪へ2m級の新戦力にも期待 (4ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by FIVB

――セッターの大型化についてはいかがですか?

「そこはだいぶ前から指摘されている点ですね。今回は関田選手(175cm)が本当によくやっていましたが、190cm前後のセッターもひとりほしいところ。ジェイテクトの若手の道井淳平選手(197cm)、ウルフドッグス名古屋の永露元稀選手(191cm)などが代表でも戦力になると、ブロックの穴がなくなります。

 セッターの身長が高いと、サーブレシーブする側からは"的が大きい"のでラクな部分もあります。ちょっとレシーブが大きくなっても、ネットを越えてしまう心配が少なくなりますから。技術では関田選手が抜けていますから、その他の部分で特長がある選手をどう育てていくかにも、今後に注目しています」

――上位に追いつくため、さらに必要なものはありますか?

「先ほども言ったようにセット終盤でミスをしないメンタルもそうですが、勝負所でいかに偏らない攻撃ができるか、劣勢になった時のオプションをどれだけ用意できるか、でしょうか。今大会、相手の強いサーブで連続失点した時は、レフトからの攻撃が多かった印象がありました。連続失点をした時のセッターの心理は私もわかりかねる部分もありますが、思い切ってミドル、ライトに回したり、パイプを使ってもよかった。

 海外の強豪国は、ラリー中でもクイックを使いますよね。また、ブラジルなどはスタメンのセッターがライトに多く上げていたのに、控えのセッターが入ったら違う攻撃をパッとできていた。フランスもそう。セッターを代えて違う攻撃のリズムを作れるようになると、もうひとつ強くなれると思います」

――これだけ強くなれる要素があると、パリ五輪が楽しみになりますね。

「すごく期待しています。リオ五輪から5年でベスト8までいけた。今回は代表に選ばれなかったVリーガーや、子どもたちがその舞台を目指してプレーするようになるはず。バレーボール界全体の機運が高まっていくと思うので、本当に楽しみです」

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