キャプテン石川祐希の「スタイル」を荻野正二が絶賛。パリ五輪へ2m級の新戦力にも期待

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by FIVB

――大学の頃からイタリアでプレーし、卒業後にはプロとして3シーズンプレーしたことが、プレーやメンタル面に好影響を与えたのでしょうか。

「それはすごくあるでしょうね。セリエAはサーブの強さ、ブロックの高さも違う。常に世界トップレベルでプレーしているなかで、『こう打てば決まるな』という感覚を磨けたからこそ、強豪国の高いブロック相手にも得点を重ねることができていました。サーブレシーブも崩れることが少なくなった。特に欧米の選手のジャンプフローターサーブは、打ち出しの高さ、重さ、変化の仕方も違うんですよ。そこに慣れたこともあると思います。

 単純に、ジャンプ力も上がったんじゃないかな? ブロックでも顔がネットから出るくらい跳んでいましたし。とにかく全体的にレベルアップしていますね」

――現在の主力には若い選手が多く、3年後のパリ五輪まで同じメンバーで強化が進められると思います。

「現在のメンバーの成長は楽しみですが、今年度の日本代表に登録されていた東海大学3年のミドルブロッカー・佐藤駿一郎選手(204cm)など、2m級の高校生、大学生の選手を何人か入れて強化していってほしいです。特にミドルブロッカー陣が、サイドからのスパイクを止められるようになるともっとよくなる。3年後を見越して、来年度の日本代表に呼んでいいと思います。

 髙橋選手も、今年のネーションズリーグの経験があったから、五輪本番でもあれだけやれた。今回の男子バレーチームを見て『自分もあの舞台でやりたい』という選手も多いでしょうから、他の若い選手にもチャンスをあげてほしいですね」

――荻野さんが注目している新戦力の選手は?

「先ほど挙げた佐藤選手のほかに、高松工芸高校3年の牧大晃選手(210cm)、東福岡高校から東亜大学に入った柳北悠李選手(192cm)もこれから伸びるかもしれない。期待が大きいのは、やはり2mオーバーの佐藤選手と牧選手になりますね。牧選手はサーブレシーブをするサイドアタッカーで、オポジットもできるかもしれません。

 もちろん、五輪メンバーの大塚達宣選手(早稲田大3年)の奮起も期待しています。今回はあまり出番がありませんでしたが、身長があって(194cm)器用だから、これから出てくると思う。全体的に大型の選手が増えると、ふだんの練習や紅白戦で高いブロックを相手にできるメリットも生まれます」

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