木村沙織が東京五輪で注目する「後輩」たち。「打ち切る能力がすごい」と期待するアタッカーは? (2ページ目)

  • Text by Sportiva

――木村さんはリオ五輪後に結婚し、翌2017年3月に引退を発表します。長い現役生活の中で常にエースとして活躍し、スランプなど不調とは無縁だったようにも感じるのですが、ご自身ではいかがですか?

「まったくそんなことはなくて、逆にうまくいっていると思ったことがありません。後悔をしないように、練習や試合で何が悪かったかを反省して『同じミスをしないように』と改善する毎日でした。ずっと自分を更新していくイメージでしたね。そうして悔いなくバレーができていたので、極端なことを言えばいつやめてもよかったんですよ。若い時も、北京五輪後も『明日やめよう』と思うことがありましたしね。結局は、30歳くらいまで現役生活を続けましたが(笑)」

トルコなどでのプレーを経て、東レで2017年に現役を引退 photo by Sakamoto Kiyoshi トルコなどでのプレーを経て、東レで2017年に現役を引退 photo by Sakamoto Kiyoshi この記事に関連する写真を見る――引退後は、イベントでの期間限定でのカフェ経営などを経て、2019年9月にはご夫婦で大阪に「32サニー」というカフェをオープンしましたね。

「カフェをやることが現役時代からの夢だったので、すごくうれしかったです。最初は午後から夜遅くまで開けていたんですが、コロナ禍でそれがなかなかできなくなって、今はお昼のカフェという方向になっています。

夫が接客やコーヒーを淹れたりして、私は焼き菓子担当。今はカヌレ(フランスの伝統的な焼き菓子)がオススメです。カフェ以外の仕事がある時も、いろんなお店でいろんなものを食べたりして、『このメニュー、参考にしたいな』といった勉強もしています。毎日が充実していますし、これからもさまざまなことにチャレンジしていきたいです」

――木村さんがお店にいると、ファンが訪れることも多いんじゃないですか?

「そういう方も来てくれますね。写真をお願いされることもあるんですが、私はキッチンで作業していることが多いですし、コロナ禍ということもあって、申し訳ないのですがお断りしています。手が空いた時などに、フロアのほうに出てあいさつができたら、と思っています」

――バレーボール関連では、今年のネーションズリーグで初解説(5月28日の韓国戦)を務めましたね。その時は竹下佳江さんと一緒でしたが、いかがでしたか?

「すごく緊張しました。解説は難しいだろうなと思っていましたし、なかなかお受けする決断ができなかったお仕事なので。でも、そのあともネーションズリーグで何試合かやらせていただいて、『今後も頑張ってみようかな』という気持ちになりました」

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