女子バレー江畑幸子が語る、セッター佐藤美弥との秘話。よく対戦した小中時代、同じ学校に通った高校時代 (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari

聖霊女子高校時代の江畑 photo by Sakamoto Kiyoshi聖霊女子高校時代の江畑 photo by Sakamoto Kiyoshiこの記事に関連する写真を見る 高校も聖霊女子の付属高校に進むと、そこで佐藤美弥とチームメイトになる。

「美弥とは、小学校、中学校の時もよく試合をしましたけど、本当によく怒られていました(笑)。中学校の時は、大会の決勝で必ず対戦していましたね。高校でやっと同じチームになれたという感じです。

 家も近かったので、2人で登下校していました。3年生では同じクラスにもなって、本当に常に一緒にいましたね。美弥は勉強もできたので、テストの点も毎回よかったですよ。プレー面でも私は美弥のことをすごく信頼していました。『ここでトスがほしいな』と思った時には、必ずトスがくるんです。しかも、どんなに苦しい体勢からでも打ちやすいボールがくるので、当時から『すごいな』と思っていました」

 江畑は入学して間もなくスタメンで起用されるようになり、佐藤も1年時の春高バレーの予選から正セッターとして活躍した。毎年のように春高バレーやインターハイに出場するも1回戦、2回戦で敗れるなど苦しんだが、3年時の秋の国体(2007年)では全国3位という成績を残した。

「私たちの代が高校3年生になる年に地元の秋田で国体があることがわかっていたので、入学してすぐに監督から『2年生、3年生には申し訳ないけど、1年生をどんどん使う』と言われました。その時の上級生の方々は、内心は悔しさもあったかもしれませんが、『1年生、頑張ってね』と背中を押してくれたんです。それで力がついて、国体で一番いい結果を出すことができました。

 国体の時には長く合宿もしていましたが、私たちは全国の強豪というわけではなかったので、あまり期待されていなかったと思いますけどね(笑)。自分たちでも厳しいと思っていた試合で勝てたことが多かった。本当に地元の応援がすごかったですし、今までやってきたことがようやくつながったなという、すごくドキドキする試合をたくさん経験できました」

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