日本女子バレー東京五輪出場への最終サバイバル。セッター問題は解決? チームの中心は?

  • Text by Sportiva
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 Vリーグでは好調の要因のひとつとして「チームのセッターとのコンビ合わせに時間をかけられた」と話していたが、代表では初めてコンビを組んだ籾井と3カ月にも満たない期間で合わせており、技術面はもちろん、「自分が中心となってチーム引っ張っていこう」という精神面での成長も感じられる。

 前回のリオ五輪では最終予選に出場しながら、五輪本戦の12人から落選となったため、オリンピックに懸ける思いも強いはず。25歳と年齢的にもキャリアのピークといえる世代であり、今年の古賀にはバレー関係者やファンからも大きな期待がかかっている。

 古賀の対角の石川は5月に21歳になったばかりだが、個人成績はベストスコアラーとスパイク部門でそれぞれ10位と健闘している。サーブレシーブで1位、サーブで3位という成績は古賀を凌いでおり、特にサーブレシーブは国内のVリーグでも課題とされていたため、大きな成長が感じられる。今大会では石川が相手チームのサーブのターゲットになることが多かったため、それがスキルアップにつながったのかもしれない。

 サーブに関しては、もともと得意だったが、2019年のW杯後に兄の石川祐希(男子代表主将)ら男子のプレーを見て参考にしたといった努力が数字に表れているのだろう。スパイクも173cmという、アタッカーとしては低い身長をカバーするブロックアウトやコース打ちなどの技術を着実にレベルアップさせている。

 黒後愛は過去の代表ではアウトサイドヒッターのポジションに入っていたが、現在はオポジット。中田監督は「このチームのエースは黒後」と公言しており、守備の負担を減らしていることからも、攻撃面での活躍を期待されているのがわかる。VNLでは、ベストスコアラー、スパイク、サーブの3部門でいずれも9位と好成績だ。

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